甲状腺疾患
甲状腺疾患で初めて受診される
患者様へ
初診時は問診、診察、エコー検査等に30分程度時間がかかります。
事前にご連絡いただければ、余裕のある時間を予約させていただけます。
また、予約なしで受診される場合は、診察時間終了の30分前まで(午前診12:30まで/午後診18:30まで)に受付ください。
なお、検査結果について、甲状腺機能(甲状腺ホルモンの量)は当日受付分(午前診12:30まで/午後診18:30まで)は当日報告が可能です。ただし、甲状腺疾患の病型の診断(バセドウ病、橋本病などの診断)に必要な甲状腺自己抗体検査につきましては、すべて外注検査となりますので後日(平日の4日間後)の検査結果報告となります。
甲状腺の病気について
糖尿病などと間違われやすい甲状腺疾患です。
甲状腺疾患などホルモン分泌の異常が起こる病気の中には、糖尿病や心臓病、更年期障害、うつ病など、別の病気と間違われるケースが少なくありません。そのため、専門の医療機関で詳細な検査を受け、甲状腺疾患によるものなのか、それとも糖尿病によるものなのか、精神科領域の疾患なのかを確認しておくことが大切となります。
甲状腺は直径約5センチメートルの小さな腺で、首の前方、喉仏の下の方にあります。甲状腺の機能は、体の新陳代謝を盛んにするホルモンを作る臓器です。この機能に異常があると体の新陳代謝にも異常をきたし、代謝を過剰に良くしてしまったり、逆に代謝の働きを弱くしたりします。
主な甲状腺の病気としては、橋本病・バセドウ病が有名です。
これらの疾患について、長期にわたる服薬や経過観察についてや放射線治療/手術療法など気になることは何でもご相談ください。
糖尿病と甲状腺の関係について
糖尿病と甲状腺疾患は別の病気ですが、似たような症状が見られることがあります。疲れやすい、むくみやすい、便秘がち、冷えなどの症状が代表的ですが、動悸がする、イライラして落ち着かない、暑がりで汗をかきやすいなど、多くの女性が日頃感じている症状が目立つこともあります。
そのため、ご自身の判断で、「産後の疲れかな」とか「更年期だから仕方がない」とか「老いによるものだ」などと思い込んで諦めてしまっていたような方が、調べてみると実は甲状腺疾患や糖尿病だったというケースがしばしば見受けられます。なかには甲状腺疾患が原因で糖尿病を悪化させていることもあります。当クリニックでは甲状腺の専門医と糖尿病の専門医が連携し、適切な治療につなげております。
内分泌疾患の中でも甲状腺の病気は女性、それも20代から40代の女性にたいへん多い病気です。
主な甲状腺疾患
バセドウ病
バセドウ病は、免疫の異常によって起こる自己免疫疾患です。
就職、結婚、妊娠、出産など人生の大きな節目となるできごとが重なる20~30歳代の若い女性に多い病気です。また、ご家族にバセドウ病の既往歴がある場合、かかる可能性が高いのも特徴です。
この疾患に当てはまる患者様の多くは甲状腺が腫大し、首が張って見えます。その他、目つきが鋭くなる、体重の減少、動悸、のぼせ、不整脈、頻脈、高血圧、イライラ、多汗、倦怠感などがよくみられる症状です。 ストレスが原因のひとつともいわれています。
バセドウ病は、自然に軽快される例もありますが、ほとんどの場合は治療が必要です。
気になる症状がある場合は、早めにご相談ください。
慢性甲状腺炎(橋本病)
慢性甲状腺炎は別名橋本病とも呼ばれる自己免疫疾患の一つで、甲状腺に対して破壊性の自己抗体が過剰に作られ、それによって甲状腺からのホルモン分泌が低下する病気です。
多くは30代~50代の女性にみられます。長い期間にわたりゆっくりと起こる炎症なので、ほとんど痛みや発熱の症状が起こることはありません。橋本病でも甲状腺が腫れることがあり、その腫れは触ってみるとバセドウ病より表面がごつごつしているものが多い傾向があります。
甲状腺は予備能力の大きな臓器で、少しくらい破壊されても甲状腺ホルモンを作る能力が低下することはありません。また、甲状腺の機能も大半は正常なので、その場合は、治療の必要もありません。
橋本病と聞くと難病ではないか?と不安になる方も多いですが、もし診断された場合でも、甲状腺機能低下症になり治療が必要なのは一部の方のみで、大半の場合は、甲状腺ホルモンの測定の検査を時々受けて、ホルモンが低下しているということがわかれば、甲状腺ホルモンの服用を始めるだけの治療になります。